ぽんしゅ館での駆けつけ三杯のあと、併設のぽんしゅ入り温泉で疲れをとった一行。
「ハァ、さっぱりしましたわね」
「いいお湯でしたね」
「そばちゃー」「ゴクリ」
「男性陣は遅いのぅ」
「待たせたな!」
「みんなそろったようだな。浦佐方面行きの列車が出るまで、まだ時間がある。各自、出発の準備を怠るな」
というわけで、次の目的地である浦佐へ出発する前に、一行は昼食と夜の宴のための酒を買い込むのでした。
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「はっはっは」
「ウボァーがすごいテンションッス!」
「天よ!久保田よ!!萬寿よ!!!」
「なにかあったんスか……?」
「下僕の元服祝いに、高い酒を振る舞うそうじゃ」
「全国的に知名度の高い『久保田』……その中でも、萬寿は最高峰の純米吟醸酒。まさに祝いの宴にふさわしい逸品と言えるだろう」
「(あんたはどっち向いて話してるんだ)」
「今宵の宴が楽しみでたまらんわ!」
「もしかして……自分が飲みたいだけ、とか?」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
[ い ん せ き ]
「きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
+++
「このおにぎり、でっけぇな!」
「これで米一合、だとさ」
「食い切れそうにないなー」
「カレー1人前と同じくらい、って考えたら、そうでもないだろ?」
「そして、使用されているのは正真正銘、魚沼産のコシヒカリですとも!!」
「(コシ)ヒカリは我らと共にある!」
「(((………どう反応したらいいんだ)))」
「笑えばよろしいんでなくて?」
「なぁみんな、買ったおにぎりをちょっと出してくれ」
「これ、でいいのか?」
「あぁ。それ持ったまま、ちょっとあいつの周りに立ってほしい」
「……こうか?」
「クラウドはそこでいい。ジタン、もうちょっと右だ。アルティミシアはもうちょっと前な」
「チョコレートに合うお酒、かぁ……いいなー……あれ?みんな集まって何やっ…」
「『とどめだ!』」
…………………
「どこのグランドクロスだよッ!」
「そういえば、アレで出てくる『無』に似ていなくもないですね」
「『ファファファ!』……なーんてな!」
「バッツーー!うしろ、うしろ!!」
「!」
「カメェェェッーーーーーーーーーーーー!」
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越後湯沢から浦佐までは、普通列車で約30分。
先ほど買い込んだグランドクロスおにぎりを頬張り至福に浸るもの、その至福の表情を撮るもの、ユトランド(FFTA2の舞台)での交易に明け暮れるもの、車中には思い思いの時が流れていきます。
「すっげー!皇帝のヤツ、またいいの引き当ててるぜ」
「当然の結果だ。輝きは私にこそふさわしい」
「(お、おにぎり買いそびれたなんて……)」
「(口が裂けては言えぬ……)」
「(それ言うなら『口が裂けても言えない』だろ)」
「(((はらへったー)))」
「(いやちょっと待て、あんたまで腹減るのかおい)」
浦佐駅から雪合戦の戦場であるスキー場までは、隣接している宿の山城屋さんから送迎バスで移動。
長旅の荷物を置き、来るべき決戦に備え準備を怠りません(BGMは♪「臨戦」で)。
「この時を待っていた!」
「行くぞ!」
さぁ、待ちに待った雪合戦のときです。
(140320追記:ドメイン切れで全く別の山城屋さんになっていたのでリンクを修正)