[DFF] バッツ道場 -とある遺物の伝承譚-

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先週、香川に遠征行けなかったんで、地元組の黒いのんを引き連れてDFF対人戦してた話を書きましたが、そのときのエピソードです。
「黒いのんクラウドの装備品の火力が少ない」ことに端を発し、手持ちでクラウドも装備できる最強武器を渡そう、ということになり、小一時間近く延々とバトルしてました。

なお、以下の駄文に登場するアーティファクトの銘は全部実在するものです。

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天から絶え間なく降り注ぐ炎と、果てしない荒野。
柱のように突き刺さる剣が世界の終わりを感じさせる、ここは「混沌の果て」だ。
荒野に唯一用意された戦場は、混沌の神カオスの玉座。
壁とも見まごうほど大きなそれを背にして、おれはある人を待っていた。
つっても、こんなところじゃ潰せる時間もつぶせやしない。

やがて下から靴の音が聞こえ、鮮やかなチョコボ頭とシックな黒コートがお目見えする。

「待ってたぜ、クラウド。早速始めっか!」
「話は奴から聞いている。そう急かすな」

なんで、おれがこんなところでクラウドと待ち合わせることになったかというと、話は小一時間ほど前にさかのぼる……

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「我が片腕よ、貴様に使命を与えよう」

晴れ渡る空の下、お決まりの低い嗤いを含みながら、エクスデスがおれを指さした。
つーか、おれがいつ、あんたの片腕になったよ。
そんな反論も意に介さず、奴は話を続ける。

「貴様の持つその剣を、ある者のところへ紡ぐのだ……次元を超えてな」

そういえば、今おれが使っている剣は他のとちょっと違う。
いつだったか、光の戦士と剣を交えたあと、彼が持っていたのと同じものが手元に残された。
何ともしれぬそれに新たな銘をつけ、おれが使っている、というわけ。
確か、そういうのはアーティファクト、とかいうんだったよな。

「そうだ。アーティファクトとは歴戦の遺物。闘いを重ね次元を超えて戦士の手に渡るたびに力を得る……もっとも、今回はそれが主な目的ではないようだがな」

で、これから戦ってくる相手に、こいつを継承させろってことか……ったく、てめぇで行けよなー。

「今それが扱えるのは貴様しかおらんのだ、愚か者め!」

………………次元城が、見る間に遠ざかっていった………………

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「っくしょー、かなわねぇなー」

開戦早々、ちょーきゅーなんとかかんとか5、とかいう剣技の連続に打ちのめされてしまった。
さすがのおれでも、コレはまねできないよな-。
勝ったクラウドの手に、光が集まる。バトルでぶつかった力が具現化しようとしているんだ。
アクセサリのライズか?それとも、おれが着けていた装備か、それともアレか……?

「これは……盾か。なに、『片翼の下足[げそ]』……?夢見が悪そうな名前だな」

うわ、おっしーい!渡したいの、それじゃないんだよなー。
でも、そいつも今のあんたなら十分使えるぜ。なにせ元は『源氏の盾』だ。

「どこからこういう名前になった」
「『源氏の盾』→『ゲソヅノタテ』→『スルメのタテ』→『スルメ以下の盾』」
「…………」
「……で、『片翼の下足』」

トレードマークのチョコボ頭が、心なしかしおれたように見えた。
盾と一緒に、絶望も送っちまったのかもしれない。

「これは……帽子?なんだ『五重郎ハット』って」
「それで『いえろうはっと』って読むんだとよ」

「……でたか?」
「いや、なにも起こらないな」
「マジかよー……」

「お、おれの方になんか来たぞ……『メテオインパクト』?メテオレインじゃなくて?しかも銘変えられねー」

「黒い羽根飾りと黄色い蛇みたいなのがついた帽子が来たぞ」
「それ『闇雲&ミッシー』……」
「……バッツ」
「なんだ」
「このネーミングセンスに疑問を感じないのか」
『恨むのなら己か神にでもするのだな』って、エクスデスに一蹴された」
『考えるだけ無駄』、か……」

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あれからどれだけ、ここにいるだろう。
お互い手を変え品を変え、死力を尽くして戦い続けてきた。
なのに、アーティファクトの剣は一向に渡る気配がない。
なんか、別次元ではこういうのを「ぶつよくせんさー」とかいうらしい。

「――を借りるぞ」

が、それにしたって、もうそろそろいいだろー……おれもクラウドも、もうげんか

「限界を超える!」

訂正。
おれが限界だ。

「これが、全てだ――!」

疲労とダメージで地面に大の字を作り、天を仰いだおれ達の間に光が集まってきた。
光はおれの剣をすっぽり包んだかと思うと、そこから同じ剣を形作る。
そして新たな主を確かめるかのように、身を起こしたクラウドの元へ向かった。

「も………『モグポァーロク』…………………」

やっと、伝承ができたみたいだな……
お互い、その銘のネーミングセンスに突っ込む気力失せてるけど。
それ、元がラグナロクだから、きっと力になれるぜ。
でも、今はただ……休みたい…………

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ちなみに。
クラウドからやってきたアーティファクトはこんな風に銘打たれた。

・ヴァルカンランス → 枯れた霊泉の広間
・デスラプトペイン×2 → 罪人達の街角 & 苦呪のグリモア

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