トリップバトン -Pieta d’Exdeath-

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某所で「トリップバトン」をいただきました。
実は、この種のバトン、「異世界バトン」としてこちらでも貰ってましてorz
そのとき指定された世界は、古代イヴァリース(FF12)で、書きかけ回答のメモが残ってました……
バトンは消化不良にするとアレですね。米姫姐さんすんません orz

えーと、指定世界がFF5か………こんなんどうでしょう。
ちょっと回答じゃないような気もしますが、そうですねぇ……
某イノリウタのエピソードみたいなもんとしてお楽しみ下さい。
続きから、本文が始まります。


■0.トリップ前夜 (オリジナルにはない設問です)
「あれ?どこ行ったっけ……?」
お気に入りのアクセサリがない。
お守り代わりに身につけていた、小さなしずく型の琥珀のペンダントだ。
一番目につく、パソコンデスクの目の前にいつも置いてるのに、周辺を探してみても見つからない。どこ行ったかな……
数分探したが見つからず、睡魔の誘惑を受け捜索を断念した。

「明日また探そ」
大きなあくびをひとつすると、隣の寝室に潜り込んだ。

■1.目が覚めるとそこは?
一面の砂の上で倒れている自分に気づく。
ひとまず立ち上がり身体についた砂を払った。
遠くに目をやれば灰色の空、鈍色の海。

波の音とは別に、遠くで何かが軋むような音が聞こえる。
そして、ある音楽が脳裏から離れない。
その曲から導き出される推論を確かめに、波打ち際と逆の方向に歩を進めた。

砂に足を取られ、その流れに身をゆだねられること十数秒。
不可思議な文様に彩られた小さな建物が砂に埋もれて建っていた。
先ほど遠くに聞こえていた物音がはっきりと聞いて取れる。

推論は確信に変わった。
脳裏をよぎる曲のタイトルは———「虚空への前奏曲」。
ここは「無」の力とともに次元の狭間に封じられた地。

初っぱなからラストダンジョンっつーステキ仕様かいな。
しかし振り返れば、波打ち際に本来ならありそうな船の影はなかった。
ということは、奥に進むしかない。
意を決して目の前の建物の扉を開き、軋みながら回る鎖を伝い降りた。

■2.貴方には不思議な力が備わっていました。その能力は?
あと少しで下に着こうというとき突然の突風に横から煽られ、鎖から手を離してしまった。
なんとか足から着地したものの、衝撃で膝をつく。
風の来た方向を見上げると、丸いフレームの真ん中に醜怪な顔をつけた代物が
にたりと口の端を上げて見下ろしていた。
……旋風魔神。いや、ここは次元の狭間だからえーと、バンデルなんとか(*)か。

敵の正体が分かって体勢を立て直し、身構えたところで立ち向かう手段など見あたらない。
武器も持っていなければ、何か魔力のようなモノが湧き上がるという感じもない。
さぁ……どうしよう。ここはやはり三十六計逃げるに如かず……か。
横目で退路を確認し、視線を相手に戻して睨み合う。
動いたのは相手の方だった。その身体の中心にある球体が妖しげな光を帯び、風が集まっていくのが分かる。

それを合図に、ヤツから離れるように走った。
一直線に奥を目指し扉を開く……が、扉の向こうにも同じようなヤツが待ちかまえていた。不覚にも足を止めてしまう。
……挟まれた。
振り向けば追いかけてきたヤツがまさに蓄えた風の力を解き放とうとしている。
避けなければ! とっさに左へ転がり込んだ瞬間。

轟音が遺跡を揺るがした。

おそるおそる目を上げると、鈍い金色の刃を持つ片刃の剣が自分の前に突き刺さっていた。
その長い柄の延長線上で、中心の球体を貫かれ力を失ったヤツが崩れ落ちる。

どうしてこんなところに、と迷う暇はない。
突然現れた得物を手にとり、近づいてきたもう1匹を力一杯なぎ払った。
剣で斬った感触、そして少し遅れて烈風がヤツを突き飛ばし、壁にたたきつけた。

戦闘が終わったのを確認し、改めて手にした得物を見る。
それには……一目で分かるほどの見覚えがあった。

* 正確には「バルダンデルス」)

■3.何処からどう見ても不審人物な貴方はその世界の最高責任者と面会する事に。どうします?
遺跡を抜けると不意に景色が変わった。
次元の狭間に彷徨う蜃気楼の町……その建物の中に出たのだ。
ここなら敵はいない、大丈夫。壁により掛かり大きく息を吐いた。
そばに立てかけた剣の刀身に自分自身が映り込む。
ふと、不安を伴う疑問が浮かんだ。

「果たしてこの奥に—この剣の本来の持ち主であろう—『彼』はいるんだろうか」

いたらいたでリアルえくたんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!とかなんとかいいそうだけど、本人を目の前に発言した直後の命の保証はない。
いなかったらいなかったで……哀しい。
最悪のパターンは「 交 戦 中 」なんだろうな、と自嘲気味につぶやいた。

いや、その前に、どうしてあんなところに彼の持ち物が落ちてきたのか。
いるのか、いないのか……確かめてみるしかないのかな。

疑問と思考を巡らせながら、時の止まった町中を歩く。
視界の横でなにかがきらめいたように見えたが、振り向いたときには何もなかった。

■4.何とか受け入れて貰えましたが宿がありません。誰の家に泊まりますか?
町を出て森を抜け、滝壺のそばの洞窟で一休み。
そういえばここ「心を持たぬモノ」が徘徊してるんだっけ。
アレにはあたりたくない……命がいくつあっても足りないはず。
おそるおそる岩陰から滝を窺ったけど、何も見あたらなかった。

洞窟の奥にある書斎の本を開き、来た扉を再び開けると景色は急に開け、眼下に銀嶺を見る柱の群れが現れた。
奇麗……なんだけど………し、下は見たくない……
下の光景をものともせず襲ってくる連中を必死ではねのけながら、光の反射でかすかに見える透明な床をこわごわ渡りきり、その先にある壮麗なる城でしばしの眠りについた。

■5.貴方がこの世界で必ずやりたい事は?
時を問わず頭上に星空が広がり、暗い水晶の小島が点在する「最後の間[ラストフロア]」、そのまさに最奥の地の階段を駆け上がる。
登り切った先に見えたのは……見たことのない光景だった。
少なくとも、自分自身が知る「物語の範疇」では。

「……嘘……」

目の前には「何も」なかった。
階段の先に続いているであろう小島も、そこにいたであろう存在も。
ただ、星をちりばめた暗闇が広がっているだけだった。

何があったのかは想像に難くない。
その戦いの苛烈さ、そして……結末に思いを馳せる。
胸をこみ上げる思いが、ひとつの旋律を紡いだ。

「ひとりきり……瞳を閉じて……貴方へと…うたう歌……」

■6.貴方は元の世界に戻れる事になりました。どうしますか?

「消えることなき 願いをうたう……」

歌を締めくくると、虚空を見やりその場に額ずいた。

(せめて……その眠りは安らかなるものでありますように)
無言の祈りが、涙とともにこぼれ落ちたそのとき。

不意に身体が重力を失った。
音もなく崩れ、形を失う大地。
何もかもが、なすすべもなく虚空に放り出された。
今まで自分と戦いをともにした「彼」の剣も遙か彼方に流されていた。

どこへ向かっているかも分からない。どれだけ経ったのかも分からない。
ただ、闇の中へ徐々に意識が遠のいていく……

次に気がついたときは、布団の中だった。

……夢……だったのか?
夢うつつのまま半身を起こすと、胸で何かが揺れる感触。

手に取ると、それは昨夜探していた琥珀のペンダントだった。
探して見つからなかったのだから、つけて寝られるはずがない。

琥珀のしずくを両手で包み込み、頭を垂れる。
(……ありがとう)

ふっと、植物など置いていない寝室に緑の香りがかすめた。


■7.おかえりなさい。次の人をどの世界にトリップさせますか?
お疲れ様でしたー。
別の意味でトリップしてた気がしますがいかがでしたでしょうか。
まぁ、ぐっちゃぐちゃなのは気にせんといてください。

しっかし、これ書いてるときに「最後の闘い」とか「覇王エクスデス」とか流すのやめようぜ
iTuneswwwwwwwwwwww

バトン自体はアンカーということにいたします。
古代イヴァリース版も残ってるしね。

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